前を向いたら明日後ろを向いたら昨日
どこでだれといたらしあわせだったっけ?
親戚の教師のおじちゃんが
愛について教えてくれたのは前々からで
「そうかわからないか」っていわれるのも前々からで
なんか問題がある家族は普通で、
そんなかぞくをもったおじちゃんは
ワタシのことを不思議な顔でみていたけど
先にねむったあたしの頭を撫でてくれたのも知ってる。
わたしはいろんな人に愛されてる。
そんな気がする。ありがとう。
はる
むせびく突風に
髪をなびかせて何度目かの春が来る
まだ寒くて薄着のままで夜桜を見に行った春を君は覚えているだろうか
コンビニでかった2で飲むには大きなビールだけ持って
桜の下のベンチで簡単な花見をしたこと。
寒いねって震えたこと。
君の髪がまだ短くてピアスも今より一つ少なかったこと。
そんなこと毎日毎日毎回毎回春が来てたら忘れてしまう
そんな大人になれたんだろうか
そんな大人になることを覚えるための積み重ねが
生活のようだったきがする。
ふらふら根もはやさず
記憶にもとどまらない
あの頃のあたしに戻ったら
今度は違うピアスをあける。
社会って海。
一番心細かったときが
一番幸せだったかなと思うのはその時からずいぶんたったとき。
ふふふって笑ったシワの奥でバイバイっていう。
■
line
どんなに愛したって
どんなに仲が良くたって
同じ場所にたどり着ける訳でも
同じ場所を求める訳でもない、
たかが他人、たかが自分以外の何かだ。
嗚呼
もういいのだと
扉を後ろに、彼等や彼女等を置き去りにしたまま、
閉じてしまう事だってかまわない
5年前に簡単に解けていたなぞなぞが今では難しくて
なかなか解けなくなった。
謎が謎を生み
複雑性が増したのだろうと考えていたら、
あっというまに
何も持たないまま生涯が身体を巣食いだす。
本当に奇麗なモノ大事なモノは触れられないらしい
それは
愛だったり
友情だったり
オーロラだったり
プリズムだったり
触れられないんだけれども
僕らは手を伸ばすらしい
欲しい欲しいと
後悔の雛は口を開ける。
無い無いと目をつぶる。
どこにも漕ぎ出せない
どこにもたどり着かない
何も示さない指針を持った船は
何も無い。
だけどもしかしたら
何でもなれるんじゃないかと
希望だけは持っていく。
明日になればきっと見ず知らずの誰かに出会って、
いい天気ですねとかなんとか話をするかもしれない。
人の不幸の上には幸せは成り立たないこと、
快楽は苦しみの原料であること
普通というものが
大多数の者達に彩られて夕焼けを染めた。
同じ朝は二度と巡ってこないのだと知っている
何かが片隅で失われてゆくと知っていながら
私はあなたの名前をよぶ